【数弱文系東大志望に捧ぐ】模試数学4点でも東大に受かった学習戦略
はじめに
東大文系入試。その鬼門となるのが東大数学。この教科への反応は以下の3つに分類されると思います。
(1)「数学は得点源だから、頑張るぞ! 」
(2)「まあ、平均点が取れればいいかな」
(3)「数学できないよお、助けてー!!! 」
私の場合は間違いなく(3)に該当していました。学校の同期の東大志望の中でも、全国的なレベルで見ても、間違いなく僕の数学力はかなり低い方であったと思います。一度も模試で高得点を取れた試しがなく、受験期には絶望しながら毎回の模試を迎えていたことを覚えています。それでも、私は東大に現役で合格して、無事学生生活を送ることができているのです。
私はありがちな「数学苦手だから無理かも……」という悩みで東大志望を諦めてほしくありません。むしろ文系なのですから数学を主戦場にしないのはごく自然なことなのです。そこで、私がいかにして東大入試を乗り切ったのか、ということについて拙筆ながら少し語ろうと思います。
筆者の体験談
最初に私の模試数学の点数を公開しようと思います。
夏の東大実戦模試(駿台)→4点(!? )
秋の東大オープン模試(河合)→20点
秋の東大実戦模試(駿台)→9点(!? )
これが私の数学の実力です。自分で振り返ってみても「よく受かったものだ」と思います。まず、最初に皆さんに言いたいことは、「ここまで点数が低い私でも東大に受かったのだから、心配しないで! 」ということです。こんな状況からでも逆転できる戦略を作り上げることができます。ここからそれに触れるのでご安心を。
さて、当時の私ですが、「これはまずい」という危機感は抱いていました。いかに文系とはいえ、このままでは東大には合格できないという不安が常に渦巻いていました。数学の苦手を克服しようと私は様々なことに挑戦したものの、思うように結果は出ず空回りすることが続きました。それが先ほどお示しした3回の模試での数学の低得点です。最後の冠模試を受け終わった時に、「これは終わった」と半分思っていました。ただ、このようにも思いました。
「数学って意外に重視しなくてもいいのでは? 」
と。あまり数学に重点を置かなくても東大に受かる戦略を立てればいいじゃないか。そう思ったのです。そこから、私は東大文系数学への考え方を大きく変えることになりました。
文系数学にいかに数弱が立ち向かうか
まず、私が考えたのは「数学抜きで東大に受かる」ということでした。つまり、数学の80点分を考慮せず、その他の国語、社会、英語、共通テストの点のみで東大に合格する、ということです。2025年の入試では合格者最低点は文科一類で336点でした。それなら、大体数学以外の科目で330点以上を取りきり、数学はいわば「ボーナスポイント」ぐらいに考えておけばいいのでは? と考えたのです。
その具体的な目標得点は以下の通りです。
- 共通テスト→99点(二次換算、一次試験のスケールなら900点分)
- 国語→70点
- 英語→80点
- 社会→90点(世界史日本史ともに45点ずつ)
- 数学→0点(でもいい)
合計 339点
私の得意教科は社会でしたので、世界史と日本史を得点源とすることが期待できます。そこに大きく勉強時間を割いた方が合格に近づきそうだ、とシンプルに考えたのです。いわゆる、「数学捨て」の戦略を採用しようとしていました。一見、邪道のように思えますがこれもまた一つの考え方です。そう、大事なのは自分に合った得点戦略を構築することであって、「他の人並みに取らなきゃ」と焦る必要はないのです。
次に、大問ごとの戦略です。東大文系数学は、微積分、図形と方程式、確率、整数の分野から出題されることが多い傾向にあると思います。この中で私が目をつけたのは「微積分」でした。文系の微積分の分野は理系のように高度なギミックが要求されることはなく、各参考書や予備校の評価(俗に大数評価と呼ばれるもので、Aが一番簡単でDが激難)ではBぐらいの評価になることがほとんどです。一方確率や整数については毎年出題傾向が安定せず、難易度もまちまち。理系との共通問題が出題されることも多く、私個人としてもあまり得意分野ではありませんでした。ならば最も簡単な微積分を全力で考えて、そこに大部分の時間を割いてしまったとしても完答を目指すほうがいいだろう、という戦略を立てました。それ以外の分野で部分点が取れれば万々歳。ともかく、数学は最低ラインを目指して頑張る、ということに焦点を当てていました。
最後に具体的にどうやって勉強したか、という話も挟みます(私は入試で高得点をとったわけではないので、あくまで一個人の意見として聞いてください)。
私は「少し難しい問題集」を買ってそれを何周もやる、ということを行っていました。おそらく一般的には河合出版の「文系数学の入門プラチカ」や駿台文庫の「ハイレベル数学の完全攻略」などがそのレベルに該当するのかと思います(私の場合はプラチカをやっていました)。 この時に重要なのは、「解けた」で終わりにしないこと。大事なのは「解法の正しい吸収」です。私が心掛けたのは、(1)自分が今使った解法が妥当なのかチェックすること、(2)自分の使った解法以外にどのような解法が存在しているのか確かめること、(3)他の問題に今学んだ解法はどのように適用できるのか考えること、の3点です。ですから、参考書自体もできるだけ解法が豊富なものを選ぶといいのではないかと思います(書店に行って解説部分やレイアウトを確認してから購入することをおすすめします)。
いざ、本番!
そして、ついに本番の東大入試1日目。国語はそれなりに感触がよく、数学までの待ち時間にも心の余裕がありました。休み時間は東大の過去問やそれを解いた際に使った解法などを見直して、本番どんな動きをしようかシミュレーションしていました。
「始めてください」
ついに、数学の試験100分間がスタートしました。問題をめくって真っ先に見つけたのは微積分の問題。それもあまり難しくなさそうでした。
(よし、これなら行ける! )
微積分の問題は重点的に対策してきたので、当初大部分の時間を使うだろうと予想していた微積分はなんと30分程度でサラサラと解けてしまいました。ただ、油断は禁物です。次の問題に入る前に見直しに入りました。今まで吸収してきた解法を思い出しながら、論理的欠陥は存在しないか、解に辿り着くまでに計算ミスはないかなどを丁寧に確認しました。
そこでミスはないと確信できたので、次の問題へ。次は比較的部分点を取りやすそうな問題をセレクトし解きました。ぶっちゃけ、他の問題はあまりわかりませんでした。それでも、得点を取れるところは徹底して解答し、問題を解く方針を書きました。
「終わりにしてください、筆記用具を置いてください」
その瞬間、私は数学で「やり切ったな」という感触を初めて抱きました。
おわりに
私の入試の結果を紹介します。

無事、文科一類に合格しました(最低点+10点だったので無事とも言えないですが……)。私の数学の結果は……30点でした。大体、文系受験生の平均点ぐらいです。
一日目の数学の試験が終わり正直、「会心の出来」という感覚でした。今までで一番上手く行った感覚があり、早く模範解答を見たいとうずうずした程でした。その日の夕食を食べながら自己採点をしてみると、狙い通り微積分の分野で完答を獲得することができ、その他の分野でも部分点が取れていることが分かりました(正直もう1つ完答しただろうと思っていましたが……)。
得点のバランスを見てみると、最終的に数学が得点源になってくれました。ただ、以前の自分だったら30点も取れなかっただろうと思います。「1問完答できればいいか」という心の余裕があり、また考えていた戦略が本番で上手く機能したことがあくまで私にとっての成功の要因だと思います。
全体の得点を見てみると数学の伸びに加えて国語の得点が上振れしてくれていました。これもある程度想定通りに行きました(ちなみにもう1つのメインウェポンの英語が一番失敗していたのは内緒です)。なにはともあれ、数学ができなくてもなんとかなります。
さて、最後に私から全国の数学が苦手な東大文系志望にエールを送ります。結論、「数学を理由に東大を諦めるのは、早い! 」ということです。その弱さに向き合い、緻密に戦略を立て、然るべき演習等を積んでいけば、数学の点数をとることができると思います。
弱者の兵法は時に全国の精鋭(2026年度の志望者数の文科一類1,229人、文科二類996人、文科三類1,274人)を押しのけて、自らを合格へ導く鍵となるのです。
この記事を最後まで読んでくれているあなたが受験を乗り越えて、東大に辿り着くことを心より願っています。